新築一戸建ての構想を立てる
家づくりをこれから始められるという方は、まずは、こんな家に住みたいというイメージを持つことが大切です。そして、いろいろなことを思い描いてみましょう。たとえば、
- 外観イメージ(屋根、壁、窓、玄関ドア、ガレージ、庭等)
- 間取りのイメージ(広いリビング、和室、書斎、キッチン等)
- 内装イメージ(ムクの木の素材感、ホテル風の明るい豪華な内装)
- 設備(広いバス、明るい洗面、動きやすいキッチン、暖かい床暖房)
- 構造・工法(地震に強い、火事に強い、音がしない、寒くない等)
失敗している人の多くは、自分自身の確固とした家づくりがイメージできずに、漠然とスタートし、売り手に誘導される人です。
たとえば、住宅展示場に行っても、過半数の人が最初に飛び込んだ2〜3社で決めてしまいます。住宅展示場はどんなに小さな展示場でも10社以上、大きな展示場では100社近くあるものもあります。なんのために総合住宅展示場に行かれるのでしょうか。こうした人の多くが、売り手の巧みな口上に誘導され失敗しているのです。
次に、イメージを持つためにはさまざまな情報を収集し、整理することが必要となります。情報収集の一番簡単な方法は、ご自身の家の周りを散策することです。具体的に家を観察し、気に入ったイメージをメモったり写真に収めておくと良いでしょう。また、家づくりの経験者に苦労したこと、失敗談を聞くことも勉強になりますし、インターネットや家づくりの書籍で情報を取得したりすることも必要なことです。
ここまでは、ご自身独りでできる情報収集の仕方ですが、気をつけなければいけないことは、頭でっかちにならないことです。情報は知識の習得だけではなく、目で見て、触れて確認しなければ真意が見えてこないからです。目で見て、触れるという経験とは住宅展示場や現場見学会、各種イベント、セミナー、勉強会に積極的に参加することです。これが情報を整理するということです。記名をすると、訪問、電話等営業されるのが嫌だと思われるでしょうが、記名をするときにはご自身の正しい情報を伝え、はっきりと断ることが大切です。不明な点があると営業マンは情報をつかもうと必死になるためそうした行動にでるのです。誰も無駄な作業はしたくないわけですから、はっきりと嫌な点は伝えましょう。
誰しもがいざ契約となると不安になります。ましてや洋服を買うのとは違って、家は一生に一度の数千万円という高額な買い物です。不安になるのは当然だと思います。ではどうすれば不安にならずに安心して先に進むことができるのでしょうか。 まずは、ご自身の計画を原点に戻って振り返ってください。- どうして家を建築、購入、リフォームしなければならないのか。
- あなたの今後のライフプランはどういう計画なのか。
(会社との関係は?両親との関係は?子供の教育については?あなたの老後については?) - ライフプランをもとに当初考えていた資金計画はオーバーしていないか。
- 当初考えていたスケジュールを急がされていないか。
ひとつでも気になる点、ご不安な点があればもう一度その内容について考えてみましょう。
- 平面プランの間取りの使い勝手、将来の変更、防犯について大丈夫か。
- 外観デザイン、外構・造園、アフターメンテナンス対策は大丈夫か。
- 仕様・設備等シックハウス対策は大丈夫か。 防音、断熱、構造は大丈夫か。
- 見積り金額は適正か。
- 契約後、金額が増える要素はないか。
- 契約書、約款は適切か。不利な条項はないか。
ここまできたら、もうおわかりでしょう。最初のステップはご自身の問題ですから、ご自身で確認が可能です。だれかが判断できるものではありません。しかし、計画内容の確認はあなた自身で全て納得できるよう確認作業ができるでしょうか。それは運転の資格も技術もないのに、いきなり飛行機のパイロットになれといっているようなものです。後ろの乗客の生命をあずかっているように、あなたも家族の将来を背負っているのです。
思い立ったが吉日ではありませんが、何も準備をせずにいきなり家づくりを始める方がいらっしゃいます。 そうした方が売り手にうまく誘導され失敗しているのです。あくまでご自身のプロジェクトであるという意識をもつことが一番大切なことです。失敗しても、後悔してもだれも助けてくれませんし、責任もとってくれません。自己責任であるという強い意識をもつことが必要です。 家づくりは気力と体力と時間がかかる非常に難しいものです。それだけに「こうした家を建てたいという夢」を実現するための強い意志を最後まで持ちつづけることが成功の秘訣となります。 いつが建てどきかは、人それぞれおかれている環境によって違ってきます。しかし、建てたいと感じられたときが建てどきなのでしょう。当然ながら、そのときにおかれている環境が条件となります。その条件を整理し、無理をしないことも必要です。 また、家づくりに関しては素人であるあなた自身が、直接プロである売り手と交渉しなければなりません。必要最低限の知識は身につけておきましょう。
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Last update:2018/3/28