新築一戸建てに憧れる方へ。

Build the house.

建築費用はどのくらいかかるのか?

一戸建てを建築する際にかかる費用は大きく分けると三つあります。
ひとつは建築本体工事費とそれにかかわる付帯工事費、二つ目は諸費用、三つ目は建築本体ではありませんが、必ず住宅には必要な工事である別途工事です。

建築本体工事費とは、字のごとく一戸建ての建物そのものの工事のことです。建物にかかわる仮設工事から基礎工事そして柱、屋根、外壁、ドアやサッシ等の駆体工事の仕様、断熱材、床、内装壁、天井等の内装仕様、コンセントや内部配線、インターホン等の電気、それからキッチン、バス、洗面、トイレ等の給排水の設備工事がその内容です。
付帯工事とは、業者によっては本体工事の内訳に算入する場合がありますが、通常ハウスメーカー等は本体工事とは分離するのであえて分けました。その内容は建物内部ではなく道路から建物までの給排水の引き込み工事(屋外給排水工事)や電気の引き込み(屋外電気工事)それからガス工事のことです。
諸費用とは、建築にかかわる契約時の印紙代や、確認申請費用、登記費用、不動産取得税や固定資産税等の税金、それから仮住まい・引越し費用、そして地鎮祭・上棟式等の祭典費用、そして以外に大きいのがローンを組むときにかかる保証料や事務手数料等のローン諸費用、そして最後に火災保険料等がこれにあたります。
別途工事とは既存建物の解体工事費や門扉、フェンス、植栽等の外構工事、照明・カーテン工事費、空調工事費、基礎補強等が発生した場合の特殊基礎工事、そして忘れてならないのが、通常オプション工事と呼ばれる床暖房工事や造作家具工事等がこれにあたります。 住宅を建築する際には、必ずこの3つを合わせて考える必要があります。

自己資金30%の理由と支払い時期

地の購入や建売、そしてマンションの購入と違い、新築一戸建てには現金が必要です。土地の購入や建売、マンションは手付時以外は最終決済時ですから、銀行と打合せをすれば、自己資金はほとんどいりません。しかし、一戸建てをこれから建築する場合は、最低でも20%から30%は必要です。

これは実は支払い時期に関係します。建築請負の支払い原則は、建築工事の出来高払いです。つまり、工事の進捗状況に合わせ、出来た部分に対しその対価としてお金を支払います。一部契約手付と着工時金だけが先払いとなります。しかし、請負手からみれば、部材等を前発注するので着工時金も厳密に言えば、先払いとは言えません。一般的な支払い時期は、契約時金10%、着工時金30%、上棟時金(中間時金)30%、そしてお引渡し時金30%が多いようです。銀行ローン等を使う場合は建物が完成しないと融資はおりません。
つまり、前述の支払い条件では、契約時金と着工時金、そして上棟時のお金を現金で持たなくてはなりません。しかしながら、ほとんどの人が建築費の70%から80%の住宅ローンを組みます。

では、そうした場合どうしたらいいのでしょうか。銀行にはそうした人用に、つなぎ融資という商品があります。通常の住宅ローンという商品とは別に着工時と上棟時に先行して融資してくれます。貸し出し期間は住宅ローンがおりるお引渡し時までの期間です。工務店で一戸建ての建築を計画する場合は、こうしたつなぎ融資を組む必要がありますが、ハウスメーカーのように体力があるところであれば、支払い条件に関してはある程度融通がききますので、相談されてみてください。

正しい住宅ローンの選択は?

住宅ローンは、金融の自由化にともない、さまざまなタイプの商品が増えました。土地の状況、その人の持つ背景によって、選択できる住宅ローンの商品は違いますが、単純に金利の低さだけで選択をしてしまうと後悔する事になります。もちろん基本は金利の低いものに違いありませんが、返済方法や、金利のタイプ(何年間固定でその後金利が変更になる等)、返済期間、融資の条件、そしてそれにかかる諸費用等の商品の持つ特徴を理解し、総合的に比較検討し、選択することが大切です。

住宅ローンは大きく分けると、住宅金融公庫、年金、財形等の公的ローンと、銀行等がおこなう民間ローンがあります。
公的ローンは、安定した返済計画ができるよう配慮されるため、基本的には固定金利が主体です。
一方、民間ローンは固定金利、変動金利、固定金利選択型と住宅ローン商品が選べるようになっています。金利の変動は非常に怖いものです。1%上がるだけでどれだけその後に影響することか。
仮に3000万円の融資を受けているとしましょう。単純に2%で借入れをしていれば、年間の利息分は60万円です。3%になれば年間の利息分は90万円にアップします。通常3000万円を当初2年間の特約固定金利2%で30年で返済する商品を選択しますと、月々の返済額は約11万円となり、年間返済額は132万円となります。そのうち前述のとおり、利息分は2%で60万円ですから、元本を72万円返したことになります。それが3%になれば利息分は90万円になり元本は42万円しか返済できません。同様に4%になれば利息分は120万円で元本は12万円。単純に比較をするとなんと恐ろしいことでしょう。(実際は金利と返済期間によって年間の返済金額は変わるので、同様の比較はできない)
つまり1年固定、2年固定等の特約金利等は注意して選ぶ必要があります。多少割高に思えても、今後の経済情勢を考えれば、なるべく長期で組んだ方が得策です。

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2016/4/7 更新